夏の夕立 

地図から消えた村の記憶

村の記憶3-3

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雄島と島村を1年ごとに往来したと伝わる獅子頭


令和元年7月13日、福井県三国の龍翔館を訪問したあと、大湊神社(陸の宮)を訪ねた。

現在の宮司さんは、桑島の里に記録された訪問を対応された松村千尋さんのお孫さんだった。お話を伺ったあと、宝物館で桑島との関係を示す資料を見せて頂いた。

 

遥か昔から伝わるという写真の獅子頭。雄島地区にある集落の祭りでは、今でもこの獅子頭を持ち廻っているそうで、さすがに劣化や破損が心配なのでレプリカを作ることも考えているとのお話だった。

 

この獅子頭を何百年も昔に桑島の人たちが見、約40年前には「桑島の里」の編集者たちが見、同じものをいま見ていると思うと感慨深い気持ちだった。

 

食堂に入って地元の人に雄島と桑島の関係について聞いてみた。

「そんな話は初めて聞いた」という答え。

どこの街でも村でも殆どの人の興味は現在の生活に向いていて、地域の成り立ちや歴史に向く人は僅かしかいないのが普通だろう。

「言い伝えられていた」と書かれた桑島でも、状況は同じだったのかも知れない。